悩めるベトナムの若者たち

「ただいま・・」

 

先日の夜、親友Tと久しぶりに会いに行って帰宅したPuu (わたしのベトナム人の同居人)

 

どこか元気がない

 

「焼き肉美味しかった?」と聞いても、返ってくる答えは「フツー」

 

よくよく話を聞くと、彼女の親友Tは今月末、故郷のタインホアに帰るのだそう

 

コロナ禍で仕事も見つからず、軽いうつ状態だそうだ

 

わたしもTとは何度が会ったことがある。小柄ながら負けん気の強い、にぎやかな女の子だったが・・

 

「Tはもう以前のTじゃないよ。ぜんぜん元気ないし。自分のこともほとんど話してくれないし」とうつむき加減でつぶやくPuu

 

「変わったのはTだけじゃないよ。従弟のDもそう」と続ける

 

DはPuuの父方の従弟。わたしと出会う前、Puuの遊び友達はもっぱら一つ年下のDだった

 

「同じカフェでバイトしてた時、よく二人で“1か月に10,000,000ドン(約50,000円)もあれば、十分暮らしていけるよね”って明るく笑ってたのに、こないだ電話で話した時は20,000,000ドンあっても満足できないって。親が買い与えてくれた田舎の土地のことで、仲が良かったお兄さんともしょっちゅう喧嘩してるみたい。なんか悲しいよ」

 

なるほど、もはやDは夏休みPuuと2人で貧乏旅行を楽しんでいた純真な青年ではないのだな

 

経済成長著しいここベトナムでも格差が広がっている

 

多くの若者が豊かな生活を求めてハノイなどの大都市に出てくるわけだが、ある者は夢破れて深く傷つき、ある者は物質主義の虜となるってわけか

 

できればわが友Puuには変わらずにいて欲しいが・・

 

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