会社にコロナがやって来た!

それは平和な土曜日の朝のこと

 

ベトナム人の所長から突然電話がかかってきた

 

嫌な予感・・

 

出ると、グッグッグッと低い笑い声を立てながらこう言った。「ついにうちの会社でも出ましたよ。コロナ陽性者。しかも3人です」

 

驚くには値しない。ここハノイでは一日あたり10,000人以上の新規感染者が出ている。もちろんこれは氷山の一角。以前とは違って、濃厚接触者であってもいちいち申告しないし、微熱程度ならほとんどの人は検査もしない

 

所長とわたしはすぐにハノイ滞在中の社長に連絡。3人で緊急対策会議を開き、状況把握と今後の物事の進め方について話し合った

 

陽性者3名とは同じフロアで仕事をしていただけでなく、昼食後のデザートも一緒に食べたりしていたので、わたしが感染していてもなんの不思議もない。もちろん、社長や所長も同様

 

ちなみに陽性者3名の中には、所長の奥さんも含まれている

 

所長とわたしは共に管理職に就きながら、同時に営業部の新規事業におけるリーダー役も務めている。それで私たち二人は行動を共にすることが多い。今のところ2人とも至って健康だが、コロナウイルスに晒されていないはずがない

 

このことをハウスメイトのベトナム人Puuに伝えた。彼女の反応は至って冷静。彼女の周りにもすでに多くの陽性者がいるからだ

 

午後、1週間分の食料を確保するため、Puuは買い出しに行った。そしてビタミンが豊富とされるパッションフルーツを5キロも買って帰って来て、濃厚パッションフルーツジュースを作ってくれた

 

ベトナムでは濃厚接触者(F1)でも自主隔離を強制されることはない。だが、陽性(F0)ともなれば1週間の自宅隔離が必要だとされている

 

とにかく我が社のソフト開発部に関しては、来週から希望者にはテレワークを考慮する。総務部は基本的に出社。新規事業が山場を迎えている営業部は言うまでもない

 

3月1日から総務には23歳の新人が入社してくるし、その次の日には営業部に年季の入った“新人”が入る予定

 

コロナが蔓延していても、会社が存続する限り企業活動は続けなければならない

 

わたしも所長も、おちおちコロナにかかってなどいられないのだ

 

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